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PlayerPRO 5.9(by Antoine ROSSET

音質

独自のサウンドドライバを使用。MacOS用のトラッカー/プレイヤーのなかではまあまあの音質ですが、MODプレイヤーのMacMikModなどと比べてしまうと、まだまだ改良の余地があります。バージョン5.0以降ではサウンドドライバを中心に改良がなされ、パンポットの指定などができるようになりました。オーバーサンプリング機能によってクリアな高音域が得られます。それでもまだ音質には大きな改善はみられません。

速度/操作性

バージョン5.0からスピードが落ち、PowerPC 601/603では22kHz/8ビットにしないと32トラック以上の再生が難しくなってしまいました。また、オシロスコープなどの動きの派手なものを使うとスピードが落ちてしまい、音質にまで悪影響を与えたりします。ウィンドウ操作などではFinderの動作速度がボトルネックになっているようですが、普通に使うぶんには遅さを感じないでしょう。ディレイやリバーブをオンにしても速度にはそれほど影響しませんが、オーバー・サンプリングをオンにすると一気に遅くなります。バージョン5.8以降ではVSTをオンにするとPowerPC G4ですら遅く感じるほどになってしまいます。

すべてのウィンドウはメニューバーから選択することによって表示できます。ウィンドウの種類が多いので最初はとまどうかもしれませんが、どのウィンドウもなかなか便利なものばかりです。

互換性

見たことのあるMODフォーマットはほとんどサポートされています。しかし、S3Mではファイルの一番最後でゴミが再生されてしまうことが多く、XMではポルタメントなどを使用している場合、正常に演奏されません。バージョン5.1からはIT 2.14で作られたファイルも読み込めるようになりましたが、一部のファイルを読み込むとクラッシュする場合があります。

再現性の面ではペケですが、669やMTMなどのマイナーなものも含め、多くのフォーマットを読み込んでそれなりの精度で再生できるので、他のソフトよりは上をいっていると言っていいでしょう。QuickTimeがサポートしている音声ファイルはすべて読み込むことができるところも強みです。つまりAIFFはもちろん、MP3にまで対応しているということです。音色ライブラリをMP3で保存しておけば、WAVやAIFFに比べ、はるかに省スペースで管理できます。

XMやS3Mへの出力もできますが、気をつけて出力しないと正常に再生できないファイルになります。AIFFやMacOS用アプリケーションとしての出力もできます。

見た目

いわゆる普通のMacOS用アプリケーションとは違った雰囲気を持っていて、すっきりとしていない印象があります。バージョン5.0からはMacOS 8.0以降専用になり、アピアランス機能拡張などに対応したのでMacOS用アプリケーションっぽい顔つきになりました。MacOS 8.5以降 をインストールしてあればライブスクロールやナビゲーション・マネージャなどが使用できます。

Mac OS XではAquaを使ったきれいな表示になりましたが、基本的には以前のPlayerPROと変わるところはありません。操作にとまどうこともないでしょう。

その他

MacOSでMODをやる場合にはこれが事実上唯一の選択肢になってしまいます。他のソフトにはない (あっても貧弱な) 音色の編集機能などもありますし、かなり使えるソフトです。MODをはじめてすぐに問題になるのは「音声サンプルを豊富に持っていない」ということなのですが、QuickTime音色からインポートできますので、いきなり曲が作れます。$99だった登録料金も$69に値下げされ、手に入れやすくなりました。CD-ROMには4000曲以上のMODデータや音声サンプルが含まれています。

おまけ

フリーウェア版では、MODとMAD以外のフォーマットは読み込むことができないようになっていますが、XMやS3Mの音質を確かめたい方に裏技を紹介します。ファイルを開くときに、どんなフォーマットであっても「Preview」ボタンを押せば聞くことができます。

XMファイルなどでポルタメントがおかしい場合はDigital EditorのFindコマンドで「Effect=3 / Argument=00」で曲全体に検索をかけて「Argument=80」くらいに置き換えてやると、あるていど聴くことができます。最善の解決法ではないですが、他の方法はめんどくさいです。(XM再生はPlayerPRO 5.0〜5.5あたりで修正されたようです)

DOSやWinユーザーに聞いてもらうには、XMファイルに出力するのが一番です。そのためには最初から音声サンプルの周波数を「Amiga 8363Hz」などの4桁のものにあわせて曲を作りましょう。そうすればちゃんと再生できるファイルが出力できます。

Mac OS Xにもいち早く対応し、2001年現在Mac OS XネイティブのMODプレイヤー/トラッカーとしては唯一のものです。


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(c) 1998, 1999, 2001 時間蠅
作成:1998.11.11〜2001.8.13