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おすすめMOD本

まだあまりMODの本は見たことがありませんが、MODや音声のプログラミング、MODで曲を作るときに便利な音楽理論などの本を紹介したいと思います。本の表紙をクリックするとAmazon.co.jpでお買い物できるようになっています。

A Programmer's Guide to Sound (Tim Kientzle著)

A Programmer's Guide to SoundA Programmer's Guide to Sound」は手にした日からすぐにパワー全開で使える本です。カバーしている内容の広さ、濃さに驚きました。

まず始めに人の聴覚について話が始まり、周波数や雑音、音質などについて解説があります。次にPCMやPWMなどの音声信号の量子化についての話題があり、Windows、MacOS、Unixでの音声の取り扱いかたが紹介されます。そして音声圧縮について、線形PCM、非線形PCM、μ-Law、DPCM、IMA ADPCM、MPEGオーディオという順に続きます。次に音声ファイル規格のパートでAU、VOC、WAVE、AIFF/AIFF-C、IFF/8SVXが紹介され、続いて音楽ファイル規格のパートでは音声合成、MIDI、標準MIDIファイル、MODが詳しく説明され、最後の章では周波数領域での音声のフィルタリングなんかまで解説されてしまいます。

それにCD-ROMが付いて$40を切っているというんですから、なんなんでしょう。僕がAIFFについて調べようと思っても「Inside Macintosh: Sound」くらいしか良い本は見当たらなかったのに‥‥。この本にはOSに特化したものから、PCM、MPEGオーディオ、MIDIまで、すべての項目に再利用可能なC++のソースコードが付いています。欠点はソースコードが(高速化のために)読みにくく書かれいることと、この本の日本語版がないことくらいです。

The Physics of Musical Instruments (Neville H. Fletcher, Thomas D. Rossing共著)

The Physics of Musical InstrumentsThe Physics of Musical Instruments」にはピアノやギターから打楽器にわたるまでの楽器に関する物理が詰まっています。もともと楽器製作者向けに書かれたような感じですが、非常に内容の濃い本で、ソフトウェア・シンセサイザ制作にも役立ってくれるはずです。文字が細かく数式が多いので、読解には時間がかかりますし、微積分の復習も必要になってきますが、その価値はあると思います。ハードカバーでいい紙を使っているので重い本です。1998年に第二版が出たばかりの新しい本で、内容も最新のものばかりです。

類似の本には「Fundamentals of Musical Acoustics」や「Music, Physics and Engineering」があります。前者は音響工学の古典とも言える本で、後者は電気工学専攻の学生向けに書かれているような感じです。上の本と違い、両者とも$10〜$15の安価な本ですので気楽に購入できます。どちらも古い本なので内容もやや古めですが。

REALbasic: The Definitive Guide (Matt Neuburg著)

REALbasic: The definitive GuideREALbasic: The Definitive Guide」はアメリカで出版された初のREALbasicに関する書籍です。REALbasic開発者の手による校正の手が入っていますので、内容は正確で濃いものになっています。入門書として書かれたにしては小難しい前振りが多いのが気になりますが、中級者や上級者も学べるところの多い本だと思います。

基礎の基礎である開発環境の使い方から、応用編のプラグイン制作までを広範囲にカバーしています。文字ばかりで絵や写真が少ないのが初心者の理解を難しくする原因になりそうですが、説明自体は明快です。REALbasic 2.0.2をベースに書かれているので最新バージョンの命令などの解説はありませんが、この本でプログラムが組めるようになれば、あとはREALbasicのリファレンス・マニュアルで簡単に最新バージョンへの移行ができるでしょう。

今となっては「進め!REALbasic」「もっと進め!REALbasic」(真紀俊男著)に代表される日本語で書かれた良書も多いので、そちらを参照されてもいいでしょう。


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(c) 1999, 2002 時間蠅
作成:1999.1.15〜2002.2.13